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サンドウィッチのシークレット・ガーデン  Secret Gardens of Sandwich
               2012年6月2日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

サンドウィッチのシークレット・ガーデンの情報は08年の旅の時には入っていた。 しかし、08年の旅はブルーベルが主目的だったのでリストから外した。今年は満を持しての訪問だ。ナビ子ちゃんが導いてくれたパーキングはマリーナの横だ。 ヨットやモーターボートが沢山係留されている。海かと思ったら、さっきのクルーズのストー川の下流部なのだ。ストー川の蛇行振りには驚くばかりだ。
シークレット・ガーデンのマナーハウスは1911年に週末を海で楽しむための別荘として造られたもので"The Salutation"と呼ばれる。 この家の設計者が昨日訪ねたグレート・ディクスターをデザインしたエドウィン・ラッチェンス(Edwin Lutyens)なのだ。 当然のことながら、このガーデンもガートルード・ジーキルの協力の元デザインされたものだ。したがって、ここもアウトドア・ルーム方式のガーデンだ。
このマナーハウスは25年の放置期間があり、2004年に今のオーナーDominic and Stephanie Parkerの手に渡る。そして、ヘッド・ガーデナーの Steve Edneyと共に、粗石の山の下に隠れ、雑草に覆われていたガーデンを復元し、2007年に一般にオープンされたものだ。

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入園するといきなり派手な色彩の"Tropical Garden"がある。これは期待外れだったかと失望する。この部分は復元の際に加えられたものらしい。
しかし、その先の"Long Border"に入り期待が湧いてくる。60mも続くボーダーだ(写真上左2枚)。その植栽は多様で珍しいものばかりだ。 ちょっと真似が出来ないと別の意味で失望を覚える。樹木が豊富だ。サイトによれば200本以上の樹木があるという。その種類も目を見張る。
ところが、ボーダーの角にある"Work Area"でまた失望だ。一応、囲いはしてあるのだが、バラックや資材が丸見えなのだ。 しかし、囲いの前に並ぶスタンダードのバラは見事なのだ(写真下左2枚)。次に現れた"Vegetable Garden"でまた失望、手入れが良くない。 失望したり喜んだり、期待が大きかっただけに心が揺れる。

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"Main Perennial Borders"に出る。もう文句なし、素晴らしいガーデンが出現した。バラとクレマチスのコラボレーションにラベンダーなどのハーブ、 ユリ、ルピナス、アイリス、ポピー、ゲラニウムなどの宿根草、そして、おびただしい数の1年草が加わって言葉もない (写真は2段上右2枚、上右3枚、下左2枚)。
このメインボーダーの面白いところは2段上右から2枚目や下右から2枚目の写真にあるように、整然と刈り込まれた円柱形のトピアリーの列に挟まれていることだ。 ここのガーデンのラッチェンスのデザインは強い直線が目立つ。後にも出てくるが、真っ直ぐな通路、並木、垣根などがそれだ。 その強さをカバーするのが、円柱の刈り込みや、ジーキルの色彩計画による植え込みだろう。心安らぐ中にも静かな高揚感と感動が湧いてくる。

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写真上右と右、下右の3枚で分かるように2列の円柱形のトピアリーを挟んで川の字型に3本の通路が通っている。この通路を2周した。 メインボーダーの終わりからハウス前の"Main Terrace"までの光景が右上の写真だ。ここの植栽も素晴らしい。 ハウスのシンメトリーと見事にマッチした整形式ガーデンだ。心ウキウキしてくる。
上述の並木道が3つある。この並木でゆったりとガーデンを仕切りアウトドア・ルームを創りだしている。最初の並木道は"Holm Oak Walk"だ。 復元の時点では伸び放題に茂っていたというが、デザイン・植栽はラッチェンスによるものだろう。足元の植栽はラベンダーのヘッジに勿忘草、 アイリスとバラだ(写真2段下左)。
2つ目は"Laburnum Walkk" キングサリの並木道だ。今は花が終わってしまった(写真はHPから借用)。
3つ目は"Poplar Walk"だ(写真下左)。40mほど続く長い並木だ。少々剪定が深いと感じるほど手を入れてある。モニュメントが程よく配置されている。

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ポプラ並木のモニュメントが写真上左から2枚目と3枚目だ。高いポプラに目線が上がっているところで、足元のブッシュの影に佇むモニュメントは非常に効果的だ。
ポプラ並木の終点がホワイト・ガーデン(White Garden)だ。復元前は石の山だったところだ。柘植のヘッジで5つに仕切られている。 中央のベッドにはシルバーリーフの木が立っている。他の4つのベッドはバラのオベリスクを中心に、マーガレット、アリウム、ルピナス、スカビオサ、 リクニス、サルビア、ペンステモンなどすべて白色で埋められている。もう花ガ終わったものやこれからのものを含めると何種類あるのか想像も出来ない。 バラにもまだ少し早いようだ(写真上下右から2枚目)。

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続く部屋が"Yellow Garden"だ(写真上右、下左3枚)。ここも秀逸、見事な色彩・植栽だ。黄色にブルーの配色が絶妙というしかない。 ここのバラは見事に咲き揃っている。。芳香も馥郁と心晴れ晴れだ。

ところで、サンドウィッチといえばサンドイッチの発祥の地として余りにもにも有名だ。この地を治める第4代サンドウィッチ伯爵(The fourth Earl of Sandwich)の ジョン・モンタギュー(John Montagu)はトランプ(Card Games)が食事の時間も惜しむほど大好きなギャンブラーだった。そこでトランプをしながら 片手で食べられるように、2枚の焼いたパンに肉を挟んで出させたのが最初だとされる。それが1762年5月13日のことだとされる。
無論、パンに具を挟む料理は古代から色々な国にあったはずで、これは俗説に過ぎないわけだが、面白い話を見つけた。 アメリカにジョン・モンタギューの子孫で11代伯爵が住んでいて、その名もずばり EARL OF SANDWICHR Corporateというサンドイッチ会社を経営しているのだという。
そして、今年はサンドイッチ誕生250周年ということになる。イギリスには "The British Sandwich Association"なる組織があって 記念行事が行われているようだ。当地でも5月13日にイベントがあったという。
サンドイッチの語源についてのもう一つの俗説も面白い。それは「”サンド(砂 sand)とウィッチ(魔女 witch)”以外どんなものでもパンに挟んで 食べられる」ということからサンドイッチと名付けられたというのだ。愉快だ。そういえば、”広東人は二足なら親以外、四足なら机と椅子以外、 走るものなら自動車以外、泳ぐものなら潜水艦以外、空を飛ぶものなら飛行機以外なんでも食ってしまう”なんてのも思い起こした

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閑話休題。 モニュメントはガーデンに欠かせない要素だ。このガーデンにも効果的に使われているし、アート作品の展示会なども盛んに行われるようだ。
写真下左のオブジェはポール・カミンズ(Paul Cummins)という、ダービーシャーの陶芸アーティスト手造りのセラミックフラワーだ。 一つひとつ色・形が異なる美しいバラの造花が沢山ある。ロンドン・オリンピックに関連したアートイベント(London 2012 Cultural Olympiad)の一環として開催しており、 ここ以外にもCastle Howard、Chiswick House、The Houses of Parliament、Blenheim Palace、the Althorp Estateで開催されている。錚々たる顔ぶれだ。
左から2枚目の素敵なフォルムのベンチはラッチェンス・ベンチだ。右から2枚目は"Spring Garden"の馬の親子だ。Emily Stoneという作家の銅製の彫刻だという。 Spring Gardenはスイセンなどの早秋のガーデンなのだろう。今は花の姿は見られない。

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写真上下右は"Bowling Lawn"の”首のない天使像”だ。勝利の女神ニケかと思ったが、少々艶かしい。ポーズも少し違うようだ。 ニケ? の両隣にもラッチェンス・ベンチ置いてある。
下左は"Woodland Garden"の木製の椅子。2、3枚目は上述のEmily Stoneの作品。2枚目は"Arum palaestinum"と題されている。 サトイモ科の花のオブジェだ。3枚目はYellow Gardenにあったキリンの像、高さ2m以上ある立派なものだ。

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右から2枚目の日時計はBowling Lawnのニケ? の前に置かれている。ニケ? から見た景色が3段上の左から2枚目の写真だ。
ショップを覘く。鉄製のオブジェが色々並んでいる。見た目が気に入っても手に持って諦める。余りにも重い。 それでも諦めきれず、一番小さな物を求めることにする。小さなすずめをレジに持っていくと「これはペアなの」ということで2つになった(写真左)。 高さ4cm、幅6cmの可愛いものだ。
小さなブリキ製の如雨露も求めたはずなのだが、マイガーデンを探しても見つからない。どこへ消えたやら。
陽だまりで使用するための黒い木製ラベルをまとめて求める。白色のペンも付いている。

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Information
 Address  Knightrider Street, Sandwich, Kent CT13 9EW
 Telephone  01304 619919
 Web Site  Secret Gardens of Sandwich

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

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